眞實

眞實

Truth
for mixed chorus and piano

詩 竹久 夢二

Words by Yumeji Takehisa

曲 森田 花央里

Music by Kaori Morita

忘れじの 行く末までは かたければ
今日を限りの 命ともがな (儀同三司母)
忘れじの行く末までの約束は、この世で果たされることはないのです。
「今は」という前後を見れば気休めにすぎないような言葉も、それは嘘ではない。
目と目で話したことは真実。たとえそれが、叶えられることがなくても。
過ちは、私たちのそばにあります。多分、真実よりずっと近くに。
真実に生きることは簡単でなく、何度も自分に問いかけるでしょう。
夢二はとても人間らしく、きれいごとを言ったりしない。彼はあまりに己の真実に生きてしまったために、悲傷の道を道を生きた人でした。
過ぎ去りしことは「昼の夢」だったと、信じたり、泣いたり、諦めたり。
私たちは迷い、夢から覚めては、また迷う。でも、幸せだけがすべてではない。
人の心の真実は、誰にも侵されることがない。
だから、あなた以外誰も知らない。
2016年3月 森田 花央里

premiere

樹の会
指揮 : 藤井宏樹
ピアノ : 前田勝則

涙のかはりに
          ゆくすゑ
忘れじの行末までと
つい約束してのけた。
 
……涙のかはりに。

接吻
あやまち
「過なりや」
「いな/\いまは
身も霊もきみがものなり」
 
涙のひまに
ひとのいふ。

眞實

すぎし時もきたる日も
わすれたる昼の夢なれや。
ただ今宵
君とともにあるこそ
真実なり。