works

混声合唱組曲

星の旅

詩 谷川 俊太郎

曲 森田 花央里

全日本合唱コンクールで課題曲として「鐘」を歌ってくれた G.U.Choir のみなさんに、2014年に初めてお会いした。その時「いつか曲を書いて欲しい」と。指揮者 山口 雄人さんが言ってくれた。それは約束ではなかったし、その言葉を聞けただけで十分だった。
歌を愛する若い仲間たちと、こんなにも早くその言葉を実現してくださったこと。そこに込められた私への共感。彼らの未来のために、歌を書かなければならないと思った。

「鐘」は、人間は分かり合えないものだという確信のもとに書いた。
互いの本当の気持ちを知るのは危険なことだし、私たちは他者の望むようには生きられない。
知らずにいた日も知ったこの日も幸せではないのだ。
その救いのない曲を歌う人たちは、私の前に現れて、同じ気持ちだと言った。
そう言ったあなたのことを、私は今も覚えている。
それは私にとって、今もこの先も大切な瞬間だ。

そう言ってくれた人たちのために書きたかった。
この曲を歌う人の未来に、いくつもの幸福が舞い降りることを願っている。

2018年7月 森田 花央里

1. 星の旅

2. どれだけ遠く

3. ひとり